防災グッズを見直すとき、「ライトは何を選べばいいのか」と迷う方は少なくありません。市場には多機能をうたう製品があふれていますが、本当に必要なのは、いざという時に確実に使えることだと私たちCercanoは考えています。
この記事では、防災用ライトを選ぶ際に本当に確認すべき基準を、開発者の視点から率直にお伝えします。
はじめに:防災用ライトに「多機能」は必要か?
防災用ライトとは、停電・避難・災害時に確実に点灯し、長時間使用できることを最優先に設計された照明器具です。
Cercanoがこの商品を開発するきっかけになったのは、お客様やその家族から繰り返し聞いた、ある言葉でした。「避難袋にライトは入れているけど、使い方がよくわからなくて……」「いざ停電になったら電池が切れていた」——そんな声です。
ラジオ・サイレン・ソーラー充電・手回し発電と、機能を詰め込んだ製品ほど、パニック状態の暗闇の中では操作ミスが起きやすくなります。私たちが出した答えは、「削ぎ落とす設計」でした。
必要な機能だけを確実に動かすために、あえて加えない選択をする。それがCercanoの出発点です。
防災ライトを選ぶ3つの基準
防災用ライトを選ぶ際に確認すべき基準は、①連続点灯時間、②充電・電源方式、③明るさ(ルーメン数)の3点です。以下でそれぞれ詳しく解説します。
① 連続点灯時間|「何時間もつか」が命綱になる
防災において、点灯時間は軽視されがちな項目です。しかし実際の大規模災害では、停電が72時間(3日間)以上続くケースも珍しくありません。1日の夜間使用を8〜10時間と想定した場合、少なくとも1回の充電で1泊分をカバーできるスペックが必要です。
「明るければいい」という発想で高ルーメン設定のみのライトを選ぶと、バッテリーが予想以上に早く消耗します。明るさとバッテリー消費のバランスこそが、防災ライト選びの核心です。
Cercanoの2way懐中電灯では、3000mAhのバッテリーで最長18時間の点灯を実現しています。これは「1泊の夜を1回の充電で乗り切れる」設計です。
上のチャートをご覧ください。明るさモードによって点灯時間は大きく変わります。最大光量で使い続けるのではなく、状況に応じてモードを切り替えることが、長時間使用のカギになります。
② 充電・電源方式|停電中に充電できない設計は本末転倒
電源方式は「USB充電のみ」か「乾電池のみ」か、どちらかに偏った製品が多い印象です。それぞれに弱点があります。
- USB充電のみ:停電中はコンセントが使えず、モバイルバッテリーも底をついたら充電手段がゼロになる
- 乾電池のみ:予備電池がなければ使えなくなる。管理・保管の手間もかかる
開発の過程で私たちが何度も議論したのが、「どちらか一方では、どうしても不安が残る」という点でした。USB-C充電と乾電池の2way対応にしたのは、「どんな状況でも電源を確保できる選択肢を残す」という判断からです。
普段はUSB-Cで充電し、万が一の時は手持ちの乾電池でも動く。この二重の安心感を、防災ライトには備えておくべきだと考えています。

③ 明るさ(ルーメン)|数値より「用途別の使い分け」で選ぶ
ルーメン数が高いほど良い、という思い込みは防災の文脈では危険です。たとえば夜間避難時に800lmの強光を真っ暗な室内で照射すると、目が一時的に眩んで逆に危険な場合があります。
重要なのは、用途に応じた明るさの使い分けができるかどうかです。屋外の移動や救助活動には遠距離を照らせる強い光が必要ですが、避難所やテント内での生活には、空間全体をやわらかく照らすランタンモードのほうが適しています。
Cercanoでは、懐中電灯モード最大800lm(照射距離200m)とランタンモード最大300lmを1台に搭載しています。上のチャートが示すように、モードごとに最適な明るさを設定しており、どちらも「実際の使用場面で過不足のない数値」を意識して設計しました。
照射角度の違いも見逃せないポイントです。懐中電灯モードでは広角・ズームの切り替えが可能で、ランタンモードでは360°全方向への照射を実現しています。1台で「遠くを照らす」「空間全体を照らす」の両方に対応できる理由がここにあります。

「多機能ライト」と「防災専用ライト」何が違うのか
多機能ライトはアウトドアや日常使いに優れる一方、防災専用ライトは"確実な動作・長時間使用・シンプル操作"に特化して設計されています。
ラジオ内蔵・ソーラー充電・手回し発電付きのライトを否定したいわけではありません。それぞれに価値のある場面があります。ただし、機能が増えるほど操作は複雑になり、故障のリスクも上がります。
「防災グッズとして備えておくライト」に求めるべきは、年に一度しか触らなくても、その1回に必ず動くことです。多機能ライトはキャンプや日常的な使用を想定した設計が多く、防災の文脈では過剰な機能が足かせになることがあります。自分の用途が「日常的に使うアウトドアギア」ではなく「緊急時の備え」であれば、シンプルで信頼性の高い防災専用設計を選ぶことをおすすめします。
Cercanoの2way懐中電灯が「これだけ」にこだわる理由
「私たちが作りたかったのは、棚の奥で眠らず、いざという時に必ず使えるライトです。」
開発の過程で「これは入れない」と決断した瞬間が、何度もありました。サイレン機能、点滅パターンの多様化、ソーラーパネル——それぞれ魅力的な機能ですが、追加するたびに操作が複雑になり、「誰でも直感的に使える」という原則から遠ざかっていきました。
結果として残したのは、懐中電灯とランタンの2モード、USB-C充電と乾電池の2way電源、そしてスマートフォンへ給電できるモバイルバッテリー機能、それだけです。重量150g・IP4防水・0.5m落下対応という耐久性も、「現実の避難シーンで壊れないこと」を基準に設定しました。
上部の強力マグネットも同じ思想から生まれています。避難所の鉄柱や車のボディに固定できれば、両手が自由になる。

それだけで、暗闇の中の作業がずっと安全になります。余計なものを加えない代わりに、本当に必要な場面で本当に役立つ機能だけを、確実に動く形で届けること——これがCercanoの設計思想です。
まとめ
防災用ライトを選ぶ際のポイントを整理します。
- 連続点灯時間:72時間停電を想定し、1泊分の夜間使用をカバーできる容量を選ぶ
- 充電・電源方式:USB充電と乾電池の2way対応が、停電中の安心感を最大化する
- 明るさ:高ルーメンだけを追うのではなく、用途別に使い分けられる設計かどうかを確認する
多機能であることは、日常使いのギアとしては魅力です。しかし防災の文脈では、「シンプルで、確実で、誰でも使える」ことが最大のスペックだと私たちは考えています。
Cercanoの2way懐中電灯は、そうした考えのもとで設計・開発した1台です。防災袋の見直しや、家族への備えとして、ぜひ一度手に取って確かめていただければ幸いです。






