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18650電池と21700電池の違い|ライト用バッテリーの基礎知識

2026年4月20日

18650電池と21700電池の違い|ライト用バッテリーの基礎知識

はじめに:なぜCercanoは電池規格にこだわるのか

「良い光は、電源から始まる」——これは、私たちCercanoがヘッドライトやランタンを開発するうえで、チーム全員が共有している根本的な考え方です。

どれだけ優れたLEDを搭載しても、どれだけ精密な光学設計を施しても、バッテリーの性能が追いつかなければ、ライトの実力は半分も発揮されません。登山の下山中に電池が切れる、防災時にライトがつかない——そうした「いざというときの失敗」を、私たちはCercanoを手にしてくださった方に絶対に経験させたくないと思っています。

その想いから、私たちはCercanoの全商品において、バッテリー規格の選定を設計の核心に据えました。この記事では、18650電池と21700電池の違いを、ライト選びに必要な知識に絞ってわかりやすくお伝えします。「電池の話は難しそう」と感じている方にこそ、読んでいただきたい内容です。

まず最初に押さえておきたい定義をお伝えします。18650・21700はどちらもリチウムイオン二次電池(充電式電池)の規格名で、数字はそのまま電池のサイズ(直径・長さmm)を表しています。


18650電池と21700電池の基礎知識|数字の意味から読み解く

電池の型番は、そのままサイズを表している

「18650」「21700」という名称、一見ランダムな数字に見えますが、実はとてもシンプルなルールで構成されています。

  • 18650 = 直径18mm × 長さ65.0mm
  • 21700 = 直径21mm × 長さ70.0mm

数字がそのまま寸法を意味しているのです。このルールさえ知っていれば、見慣れない規格名も怖くありません。どちらもリチウムイオン二次電池であり、繰り返し充電して長期間使い続けられるのが大きな特長です。

容量・電圧・重量の違い(比較表)

2つの規格を数値で比べると、その違いが明確になります。下表をご覧ください。

項目1865021700
直径18mm21mm
長さ65mm70mm
一般的な容量2,000〜3,500mAh3,500〜5,000mAh
公称電圧3.6〜3.7V3.6〜3.7V
重量約45〜48g約65〜70g
普及度非常に高い高い(増加中)

21700が容量で大きく上回る理由は、物理的な体積の差にあります。21700は18650に比べて体積が約22〜30%大きく、その分だけ多くの電極材料を封入できるため、容量が大きくなります。

電圧はほぼ同じですが、容量(mAh)が増えることで、同じ消費電力のライトをより長時間点灯させることができます。


サイズ・容量・互換性の違いが「実際の使用感」に与える影響

連続点灯時間と容量の関係

バッテリー容量(mAh)と点灯時間は、切っても切れない関係にあります。簡単に言えば、容量が大きいほど、同じ明るさで長く点灯できます。

私たちCercanoの製品を例に挙げると、18650(2800mAh)を搭載した広角ヘッドライトは最大17時間の点灯が可能です。一泊のテント泊であれば、予備電池なしで一晩を乗り切れる設計です。一方、21700(5000mAh)を搭載したプロユースヘッドライトは最大32時間の点灯を実現しており、複数日にわたる縦走や本格的な作業現場での使用を想定しています。

「夜間登山の下山中に電池切れ」「テント泊の朝に充電が尽きていた」——そうした事態を防ぐために、容量と用途のマッチングがバッテリー選びの核心だと私たちは考えています。

互換性の注意点:「使えるか」と「最適かどうか」は別問題

「21700は18650の代わりに使えますか?」というご質問をいただくことがあります。アダプターを使えば物理的に装着できるケースもありますが、互換性があることと、最適な性能を発揮できることは、まったく別の話です。

21700は18650より直径で3mm、長さで5mm大きいため、本体の電池室設計によっては接触不良や放熱不足が起きるリスクがあります。また、サイズが合わないまま使用することは、安全面での保証もできません。

私たちCercanoでは、この問題を「設計段階から解消する」という方針を取りました。具体的には次のように規格を使い分けています。

  • 18650採用ライン:広角ヘッドライト・ミニヘッドライト・LEDランタン・2way懐中電灯・テーブルライト
  • 21700採用ライン:プロユースヘッドライト

18650ラインは、軽量性・入手性・コストのバランスが日常〜アウトドア用途に最適と判断したためです。21700ラインは、1400lm・照射距離250m・IP6防水・耐衝撃2mというプロスペックを一本で成立させるために、高いエネルギー密度が不可欠だったためです。どちらが優れているのではなく、用途に応じた最適解を選んでいます。

充電・管理のしやすさ:旅先・山岳でのリアル

どちらの規格も汎用のリチウムイオン充電器で充電できますが、現時点では18650のほうが入手性に優れています。アウトドアショップや電気店でスペア電池を調達しやすく、旅先でも手に入りやすいという実用的なメリットがあります。

また、予備電池を2本携行する場合、21700は1本あたり約65〜70gとなり、18650(約45〜48g)と比べて重量差が積み重なります。グラム単位で荷物を減らしたい登山では、この差が体感として現れます。Cercanoのミニヘッドライトが18650(800mAh)を採用し、本体重量49gを実現しているのも、「軽量・コンパクトを最優先する場面」に応えるための意図的な設計判断です。


18650と21700、どちらを選ぶべきか|用途別おすすめガイド

ここまでの内容を踏まえて、用途ごとのおすすめをまとめます。

用途おすすめ規格理由
日帰り登山・軽量ハイク18650軽量・入手性◎・必要十分な点灯時間
テント泊・一泊キャンプ18650(大容量)2800〜3000mAhで一泊なら充電不要
複数日縦走・本格登山2170032時間点灯・予備電池の本数を減らせる
防災・備蓄用途18650(大容量)入手性・汎用性・長期保管のしやすさ
プロ現場・長時間作業21700高輝度・長時間・耐衝撃性能が必要

Cercanoが「急速充電より電池寿命を選んだ」理由

もう一つ、私たちがこだわった点をお伝えします。Cercanoの全商品はUSB-C(Type A to C)対応ですが、あえてPD急速充電には対応していません(5V/1A設計)。

これは、急速充電によるリチウムイオン電池の劣化を防ぐための意図的な選択です。「早く充電できる」より「長く使い続けられる」——私たちは後者を選びました。

また、使用温度範囲を全商品-5℃〜40℃に統一しているのも、低温環境で電池性能が下がりやすいリチウムイオン電池の特性を踏まえ、現実的に安定して使える範囲を正直に示したいという考えからです。


まとめ:電池規格の理解が、ライト選びの精度を上げる

  • 18650は直径18mm×長さ65mm、21700は直径21mm×長さ70mmのリチウムイオン二次電池
  • 21700は体積が約22〜30%大きく、容量も3,500〜5,000mAhと大きいが、重量も増す
  • 互換アダプターで流用はできても、性能・安全性の面で「最適」とは言えないケースがある
  • Cercanoは用途ごとに18650と21700を使い分け、それぞれの設計意図を明示している
  • 日常〜一泊アウトドアには18650、複数日縦走・プロ現場には21700が適している
  • 急速充電より電池寿命を優先した充電設計で、「長く使い続けられるライト」を目指している

ライト選びで「明るさ(lm)」だけを見てしまうのは、ちょうど車を選ぶときにエンジンのスペックだけ見て燃料タンクの容量を確認しないようなものです。私たちCercanoは、バッテリーの選定から始まる設計の誠実さを、これからも大切にしていきます。

それぞれの商品がどの電池規格を採用し、どんなシーンを想定しているかは、各商品ページにも詳しく記載しています。ぜひ用途に合ったモデルを見つけてみてください。